全ツ宮城に行ってきました。

※メモ代わりに書いている、我ながらどうでもいいなってとこは字を小さくしたので適当に飛ばしちゃってください。

 

乃木坂46真夏の全国ツアー2018宮城公演に参加してきました。

相変わらずお金がないので今回も貧乏旅です。当然宿のあてもありませんでしたが、去年新潟行ったのが10月だったことを考えると多少気楽に臨めました。今思えば寝袋も持たずに10月の新潟で野宿してたの大分気が触れてますね。「人はね、限界だと思ってからもうちょっといける」という言葉もありますが、あの時は自覚もなく限界に挑んでしまった感があります。まあ多少厳しい経験しといた方が後々生きやすいなというのも恐らく事実です。

 

今回の移動は18きっぷです。始発の電車に乗って仙台に向かいましたが、オタクの多いこと多いこと。一般人2割、乃木オタ7割、エスパルスサポ1割って感じでしょうか。地獄。自分も含め、黒磯駅の乗り換えで半分くらいのオタクが乗り切れなくて1時間足止め食らってました。鉄オタには18きっぷの難所として有名らしいですね。一個前の那須塩原駅から新白河駅まで新幹線でワープすると良いみたいです、まあその情報知ってたとして、という話ですが。地元の方々には申し訳ない。

道中では円城塔『これはペンです』読みました。表題作も勿論良かったんですが、「良い夜を持っている」がとても面白かった。面白いといいながら多分内容の8割も理解できていないのですが。しかし意味が分からなくとも面白い小説もあるのです。小難しいこと言いつつも、笑いどころは分かりやすく用意してくれるのが円城塔の好きなところです。小説読んで吹き出したの久々でした。咳払いで誤魔化しきれたかはだいぶ怪しいです。
仙台に着いたのは15時すぎ。仙台は東北大のオープンキャンパスに来た時以来で、随分歳とったなぁと感慨深い。時間もなかったのですぐ利府駅まで行って徒歩でひとめぼれスタジアムへ。開演ギリギリに2階席に着いて、コールもほどほどにのんびり観てました。

9/1 真夏の全国ツアー2018in宮城 初日

この日は阪口珠美のパフォーマンスの良さを改めて実感しました。会場が小さく感じるくらいに仕草が大きくて分かりやすい。顔は見えなくても身体に表情が出ていて、2階席から観てても楽しませてくれます。全身表情筋。ステージが遠いとついモニターばかり見てしまうけど、珠ちゃんは自分の目で追う甲斐があるアイドルです。思わず終演後推しメンタオルを買いに行ってしまいました。

あと飛鳥ちゃんのMCもすごく良かったです。「あまり緊張しない性格なんですよ」という自分の話から始めて、海外公演の話も織り込みつつ「素直に気持ちを表現することが大事」という着地が見事でした。飛鳥ちゃんにラジオのパーソナリティやって欲しいな。

セットリストは定番曲が多かったけど、その中でジコチュープロデュースがアクセントになって良かったですね。全ツは「これが乃木坂です」みたいな自己紹介も兼ねた地方巡業っぽさがあったけど、遠征して来る人がこれだけ多いことを考えるとこういう企画は大事ですよね。

真夏さんの「あなたのために弾きたい」はイントロからたどたどしさの溢れるピアノでスタンドもざわついていたけど、最後には万雷の拍手。自分もしっかり感動してしまいました。何よりみんなが無理だろうと思ってる(失礼ですかね、)ことに挑戦しようとした真夏さんの姿勢に胸を打たれました。東京ドームやレコード大賞を経て、グループとしての目標が定まっていないようにも思えるけど、メンバー一人一人はちゃんと自分の坂を登っている。ライブの一企画だけど、そのことを真夏さんが象徴的に示してくれたように思います。
星野みなみの「意外break」は単純に自分が好きな楽曲が聴けて嬉しかったのと、みなみちゃんの大人っぽいビジュアルが見れたのが良かったです。みなみちゃんはピアスが似合いますね。
桜井玲香の「まあいいか?れかつきver.」はれかつきをこういう形でパッケージングしてくれることがひたすらありがたかったです。この日のキャプテンは前髪を作った上でメイクも控えめだったので普段と比べると大分幼く見え、それでボーイッシュな若月とイチャイチャするものだからもうカップルにしか見えませんでした。この日一番気持ち悪い顔して見てた気がします。
絢音ちゃんの「君に贈る花がない」は選曲もそうだけど絢音ちゃんが3期生を率いてるというシチュエーションが素晴らしかったですね。センターというポジションがそうさせた部分があるかもしれないけど、先輩らしく堂々としていてなんだか感慨深いものがありました。かと思えばMCパートで選曲の理由を聞かれて「お花の歌だから」と答えていて、絢音ちゃんはこの不思議なバランスが面白いです。

終演後は翌日の席がアリーナということもあって大園桃子阪口珠美の推しメンタオルを買いました。自分は握手会に行かないのですが、こういう形でも応援してる人間がいることが伝わればいいなと思います。

 

夜は東北大にお邪魔して野宿しようかなとか考えてたのですが、少し気が引けて徹夜することに。幸い朝からやってるスーパー銭湯を駅から10キロくらいのとこに見つけたので、ファミレスで時間を潰したあとそこを目標にひたすら歩いてました。深夜バイト終わりの地元の人間っぽく歩くのが変な人に絡まれないコツです。とはいえ仙台の北の方はニュータウンみたいで、変なヤンキーもいなくて治安は良さそうでしたが。のんびり歩いていたら日が昇る頃に到着したので近くの公園で1時間ほど開店を待ちました。オードリー若林が「めちゃくちゃ面白いのよ」と語っていた、前野ウルド浩太郎の『バッタを倒しにアフリカへ』を読んだのですが、ポスドクのバッタ研究者がアフリカで何やかんやするエッセーで、ブログっぽいフランクな文体が眠い頭にちょうど良かったです。
今回行ったのはスーパー銭湯竜泉寺の湯。朝風呂が500円で貧乏人にはありがたかったです。疲れてたのでそんなに色々入りませんでしたが、露天風呂はもちろん寝ころび湯や電気風呂もあって充実していたように思います。おすすめです。風呂を上がった後は休憩所で4,5時間睡眠。twitterのffさんも来てたみたいですが、休憩所の隅っこで熟睡してた人間が僕です。
起きたらお昼に丁度いい時間だったのでバスで駅に戻り、利久という牛タン屋さんで牛タンを食べました。今回の旅で唯一仙台を感じました。焼き肉屋さんで食べる牛タンとは完全に別物ですね、めちゃくちゃ美味しかった。何やかんやしてたらまた3時を過ぎていて、急いでひとめぼれスタジアムへ。

 

9/2 真夏の全国ツアー2018in宮城 千秋楽

2日目の席は花道の真横の席でした。メインステージも近くて今までで一番いい席だったかもしれません。ほんの5,6m先をメンバーが駆け抜けていく度に「この子ほんとに人間だったんだ、、」という至極当たり前のことに驚いてました。ライブ自体は何回か経験していましたが、この距離感で見ると概念として存在していたアイドルが一気に実在みを覚えてきます。メンバー全員が一度は目の前を通ってくれたので分かるのですが、乃木坂46に可愛くない子はいません。寺田蘭世西野七瀬は特に画面と生でみるのとでは違った印象。寺田蘭世様は最近大人っぽくなったイメージだったのですが、想像より2回りくらい小っちゃくてめちゃ女の子でした。西野さんは膝!!って感じでした。ちなみにそれまでは肩!って感じでした。

ジコチュープロデュースでは満を持して白石麻衣様の登場。こういうところでふざけられるのが白石さんらしくていいですね。エンタメとして成立させつつ、何の造作もなく二期生曲に光を当ててしまうあたりはまさに神様でした。

二日目で特別印象深かったのが「いつかできるから今日できる」。幸運なことに自分のほんの目と鼻の先で北野日奈子が立ち止まり、大サビでのダンスを間近で見ることができました。個人的にいつできの北野日奈子には思い入れがあって、去年の東京ドーム公演を観に行った際、きいちゃんは見るからに辛そうで今にも壊れてしまうんじゃないかとさえ思えたのですが、本編最後でのいつできのダンスがやけに輝いて見えて。それまで心配で仕方なかったのですが、いつできを力強く歌い踊る姿にきいちゃんは大丈夫だなと確信できたのを覚えています。結果的に東京ドーム公演のあと彼女は休養に入るのですが、きっとまた戻ってきてくれるとそこまで深刻になりすぎずに待つことができたのは、このパフォーマンスを見ていたからだと思います。その時から、「もしも失敗したって何度だって立ち上がればいい」「ここで逃げ出さないで前を向いて大地立つんだ」といった歌詞が北野日奈子へのあて書きのようにも感じられて、自分の中で特別な曲になっていました。そんな思い入れのある曲で、北野日奈子が目の前にきて踊ってくれたのです。時間にして数十秒だったかと思いますが、この数十秒は本当にかけがえのない時間でした。「いつかできるから今日できる」の歌詞はある種予言めいたものですが、仙台での彼女のパフォーマンスはその予言が成就したことを僕に示してくれたように思います。彼女はもう「アンダー」を苦しそうに歌っていたあの時とは違う。逃げ出さず、真正面から曲に向き合ってステージに立っている。過去の北野日奈子ができなかったことも今の北野日奈子にはできる。東京ドームのときとはまた違った形で歌詞が彼女に重なっていて、本当に美しく感動的な場面でした。その後の「アンダー」での北野日奈子のパフォーマンスは改めて言うまでもなく本当に素晴らしかった。彼女を苦しめたとはいえ、彼女の中で昇華されたその歌詞の持つ力強さ、美しさ、説得力は唯一無二だと思います。それは彼女の愚直なまでの誠実さの上に成り立つものだと思うし、僕はそんな北野日奈子のことを心の底から尊敬しています。

飛鳥ちゃんのMCについて。2年前に比べて余裕を持てた全国ツアーだったと話していて、今回のセンターが飛鳥ちゃんで本当に良かったなと思いました。余裕がない中でジコチューでいることを強要されるのってすごく辛いことだと思うので。多分それは自棄を起こしてるのと殆ど変わらない。自信と周りの人への信頼がなければジコチューでいることは楽しめないし、飛鳥ちゃんはちょうどその両方をクリアできたタイミングだったように思います。スタッフさんを含めて円陣を組んだという話も、飛鳥ちゃんなりにジコチューでいようとした末のことだったんじゃないかなとか適当なこと考えたり。兎に角、21枚目のセンターが飛鳥ちゃんで良かったです。

アンコールでは久保史緒里さんの登場に思わず泣いてしまいました。ライブ中、花道を挟んで反対側のオタクが久保ちゃんのタオルを持っているのがちらちらと目に入っていたので、そのオタクのことを思うと余計に。堀ちゃんへのコールレスポンスもそうだけど、この日会場にいたオタクはみんな報われたというか幸せだったと思います。乃木坂46は本当にすごい。最高です。

 

終演後は雨が降っていたので、野宿はややこしいなと判断して24時間のファミレスへ。結局今回は野宿することもなく、中途半端に人間的な旅になってしまいました。夜が明けるのを待って、スマホの充電をしに駅のスタバに入りました。本を読みながらのんびり充電を待って、再び18きっぷで帰京。途中宇都宮で降りて、去年食べられなかった「みんみん」へ行きました。美味しかったし安かった。その後はひたすら電車に揺られ続けて、家に着いた時には夜の10時を回っていました。

 

ちょっと離れている間に東京の夜はすっかり秋らしくなっていて、2018年の夏が終わったんだなぁと少しずつ実感が湧いてきました。自分は四季の中で夏が一番苦手で毎年夏の終わりが嬉しかったのですが、今年に限っては名残惜しく感じられます。それくらい充実していて楽しかった。全く意識していなかったのですが、ふと学生として過ごす夏がこれで最後なのだと気付いて、そういえば自分は平成の夏しか知らないし、学生としての夏しか知らないな、と。来年の夏がどんな夏になるのか全く想像がつかなくて、楽しみでもあるし不安でもあります。今回のライブで聞いて改めて思ったんですが、「自分じゃない感じ」がすごく好きなんですよね。自分自身意識が高いとは口が裂けても言えないしというか無意味なことにほど意味を見出しがちで、気ままに生きていたいタイプなんですが、やっぱりそれだけだとなんだか物足りないことはあって。成功したいとか、社会のために云々みたいな文脈とはちがったところで、「自分のために/誰かのために踊りたい」んですよね。特にアイドルみてるとそう思うことが多くて。でもそこを突き詰めすぎて生き急いだり周りの景色が見えなくなるのは絶対違うし。そのあたりのバランス感覚を来年の夏までに身に付けられているといいなぁと思います。

そんな夏でした。

 

おわり